Place of the fate〜運命の場所〜
「うん、そうさせてもらうね」
その言葉と同時に、後ろから回ってくる優斗先輩の腕。
「うーわ、わかってたけど、ほんと腹立つ」
顔を引きつらせながらそういう薫に、優斗先輩はニッコリと爽やかな笑顔で笑った。
「言っとくけど、歌菜泣かせたりしたら即刻奪い去るから」
優斗先輩をにらみそういう薫。
「ははっ、大丈夫。泣かせないし、奪わせないよ」
そう言って腕に力が入り、さらにギュッとあたしを抱きしめた。
「はいはい、まぁ話し合いも終わったし俺は帰りますよ」
教室のドアの方へと足をすすめる薫に、
「ありがと!!」
と言うと、少しだけ振り返って笑った。
「俺のとこ、いつでも来ていいからね」
そう言って薫は空き教室をあとにした。