Place of the fate〜運命の場所〜
「えー、だからこの時主人公の心情は――――」
キィィィィ!!!
ガガガガガッ!!!
静かな国語の授業中。
外から聞こえてくる騒音に、あたしは顔をしかめる。
ここ、あたしの通っている女子高は、1号館・2号館・3号館でできていて、今度4号館が建設されるために工事が行われている。
・・・・・何もこの時期にしなくても。
夏休みとか、長期休みに入った時にしてくれればいいのに。
窓際の席に座るあたしは、工事が行われているところに視線を向けながらそう考える。
「あー、じゃあ外向いてボーッとしてる七瀬。教科書120ページから読め」
「えっ」
先生のその指示に、何人かの生徒がクスクスと笑う。
・・・・・こうなったのもこのうるさい工事現場のせいだ。
今度は恨みがましく外に視線を向けたあと、指示されたページを読んだ。