Place of the fate〜運命の場所〜
うーん、少しは距離が詰まっている・・・・・のかな。
けど、まだ時間はかかりそうだなー。
「ねぇ、結衣ちゃんは俺のことなんとも思ってないの?」
不意に、出てしまった言葉。
やべ・・・・・と思った時には結衣ちゃんはこちらを向いて、少しだけ驚いた顔をしていた。
「なーんて、」
冗談、と言いかけて止まる言葉。
視線の先には驚いた表情とは一変、少しだけ赤くなった結衣ちゃんがいた。
え、うそ・・・・・これはほんとに俺のこと。
まさかの結衣ちゃんの反応に呆気に取られていたとき、ガラッと図書室のドアが開く音がした。
二人ともハッとしてドアの方に視線を向けると、そこには珠菜ちゃんがいた。
「なーんだ、玲二。放課後いっつもすぐどこかに行っちゃうからどこ行くんだろうて思ってたら、こんなとこにいたんだ」
二人きりだった空間に、もう一つの声が響く。