Place of the fate〜運命の場所〜
俺は一呼吸置いた後、
「好きです。付き合ってください」
と、告白した。
「よろしくお願いします」
本を顔からどかした結衣ちゃんは、少しだけ頬を染めながら返事した。
っ・・・・・、キス、したいけどキスだけで止められる自信がない。
悶々として固まっている俺を、結衣ちゃんが不思議そうに見てくる。
「キス、しないんですか?」
俺の方が身長が高いから、結衣ちゃんが俺を見るとなると、必然的に上目づかいになるわけで。
「こ、心の準備ができてから出直しマス」
本棚に囲まれた二人だけの空間に、くすくすと小さな笑い声が響いた。
—図書室 完—