Always
2人で一緒に会場から抜け出して、たどりついた場所。

ドアノブに手をかけると、当然鍵は閉まっていた。

僕はスーツのポケットから合鍵を出すと、ドアノブに鍵を入れて回した。

カチャッと音がして、その場所が開いたことを教えてくれた。

そっとドアを開けて、中に入った。

「どうぞ」

先に芹沢さんに部屋の中へ入るように促した。

芹沢さんは小さく頭を下げると、部屋の中に足を踏み入れた。

「――わあっ…!」

芹沢さんは驚いたと言うように声をあげた。

僕は彼女の声を聞いた後、部屋の中に入るとドアを閉めた。

部屋の中は天井も壁も床も、全部ガラスでできていた。
< 102 / 303 >

この作品をシェア

pagetop