Always
「すみません…。

先生と手を繋いでいたこと、忘れていました…」

芹沢さんは小さな声で謝った。

「僕も、すみません…。

会場を出た時から、ずっと手を繋ぎっぱなしで…」

つられるように、僕も彼女に謝った。

「この部屋、すごくキレイですね」

芹沢さんが言った。

「ええ、ここ僕のお気に入りの場所なんです」

そう言った僕に、
「先生のお気に入りの場所に、私が入っちゃってよかったんですか?」

芹沢さんは聞き返した。
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