Always
「玉ちゃん、かっこいいです!」

さすが、ミーハーである。

「でも私が1番かっこいいと思っている人は、タカチャンです!」

そう言ったエリーさんに、父親はほうじ茶をすすった。

かっこいいなんて言われたから照れてるのね、うん。

「お袋、聞いてるこっちが恥ずかしい」

慶太郎くんが呆れたと言うように言った。

同感である。

さすが、アメリカ人と言ってもいい。

「それでは、『ベイビー・スターダスト』の『in the bed』」

司会者が披露する曲名を告げたのと同時に、場面が切り替わった。

ベースの低い音が鳴り出すと、それに続くようにギターとドラムが駆け出した。

激しく、そして切ないメロディーにあわせるように、テナーの渋い声が歌い出した。
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