Always
協調性がない。

根暗。

幼い頃から周りによく言われていた言葉だった。

僕のことを心配してくれる兄さんたちをありがたいと思うのと同時に、迷惑だと思っていた。

僕のことなんか放って置いてくれと、何度思ったことだろう。

家族にも友達にも恵まれているあなたたちに心配なんかされたくない、と。

「それでつい、パーティーで顔を少し見ただけだけど、芹沢さんの名前を出してしまったんだ。

父さんと母さんを安心させたくて、つい」

慎吾兄さんは、僕の顔を覗き込んだ。

「だけど、風吾からして見たら迷惑も同然だよな。

自分の相手くらい、自分で見つけるのにな」

慎吾兄さんは自嘲気味に笑った。
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