Always
その翌日。

自分の部屋で読書をしていたら、コンコンとドアをたたく音がした。

「どうぞ」

ドアに向かって声をかけると、七緒が部屋に入ってきた。

「ナナ?」

部屋に入ってきた七緒の目は潤んでいるうえに、赤かった。

その様子だと、さっきまで泣いていたのだろう。

だけど、顔は笑っていた。

まるで、すっきりしたとでも言うように。

七緒の顔を見つめ続けていたら、
「――振られた」

七緒が言った。
< 159 / 303 >

この作品をシェア

pagetop