Always
「じゃあ、お言葉に甘えていただきます。

でも1人では食べきるには無理があるので、最低でも1口は食べてくださいね」

最後の1口になったガトーショコラを口に入れた僕に、
「わ…わかりました…」

芹沢さんはガトーショコラを口に入れた。

「あ、美味しい…」

芹沢さんが呟くように言った。

僕はその光景に、幸せを噛みしめた。

躰だけじゃなく、心まで温かくなって行くような気がした。

窓の外に視線を向けると、
「あ、止んでる…」

さっきまで降っていた雨が、いつの間にか止んでいた。
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