Always
美味しい定食を食べ、コメディ映画に笑った後、僕らはショッピングモールの中を歩いていた。

もちろん、手はしっかり繋いで。

「風吾さん」

萌さんが僕の名前を呼んだ。

「何ですか?」

「そろそろ、風吾さんが食べたい物を言ってもいいと思いますよ」

「もうそんな時間か…」

腕時計に視線を向けると、後少しで5時になろうとしていた。

飲食店もそろそろ混み始める時間だろう。

「んー、そうですねえ…」

正直言うと、萌さんと一緒にいるだけでも充分だった。

一緒に映画を見て、ご飯を食べて、手を繋いで…それだけで僕はもう幸せだった。
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