Always

Side.M*Devil and reunion*

「――芹沢か?」

私の聞き間違いであって欲しいと、願った。

「やっぱり、芹沢じゃないか!」

今でも受け入れることができないその明るい性格は、もはや人じゃない。

――悪魔だ。


1人暮らしの部屋に――いや、人生で初めて自宅に人を招待した。

その初めての人は、風吾さんだ。

「ちょっと散らかってて申し訳ないんですけど…」

呟くように言った私に、風吾さんは物珍しそうに部屋の中を見回した。

「キレイな部屋ですね」

見回した後、風吾さんが言った。

風吾さんが自分の部屋にいること、見回していること。

それが何だか恥ずかしくて、だけど嬉しくて…生まれて初めての気持ちに私は幸せを感じていた。
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