Always
男の人が私の名前を呼んだことに、驚いた。

えっ?

何で?

何で私の名前を知ってるの?

そのとたん、頭の中にある人物が思い浮かぶ。

風吾さん以外で、今の今までの人生で接した男の人って、
「――阿久津、くん…?」

高校時代のクラスメイトの阿久津くん、なの…?

ううん、人違いだよ。

世の中には同じ顔の人が3人いるって言うくらいなんだから、人違いだよ。

だけど、その人は笑った。

高校時代と変わらない笑顔だった。

「やっぱり、芹沢じゃないか!」

その明るい性格も、全くと言っていいほど変わっていなかった。
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