Always
Chapter7*Devil of entrants*

Side.F*Onion Gets In Your Eyes*

3月に入った。

朝晩はまだ冬の寒さが続いているけど、昼はだいぶ温かくなってきた。

もうすぐ、春がくるんだな。

夕方のテレビのニュースを見ながら僕は思った。

アナウンサーが嬉しそうに、桜が咲くのはもうすぐだと言った。

桜が咲いたら、萌さんと一緒にお花見したいなあ。

彼女手作りの弁当を持って、桜を見ながら一緒に食べたい。

そんなに遠くはない未来予想図を頭の中で思い描いていたら、
「――痛ッ…!」

キッチンから萌さんの声が聞こえた。

2月の終わりのデート以来、週に1回だけど僕は萌さんの家で夕飯をごちそうになっている。

「どうかしましたか?」

僕は腰をあげると、萌さんがいるキッチンへ歩み寄った。
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