Always
僕のお腹がグーッと音を立てる。

少しくらいなら、手伝ってもいいかな。

そう思った僕は包丁を手にとった。

確か、みじん切りは…。

最後に包丁を手に持ったのは、高校の家庭科の調理実習の授業である。

もう10年以上も前の出来事だ。

思い出しながら、玉ねぎを切ってみる。

「…あれ?」

何か違う。

玉ねぎが切れたことは切れたが、大きいままだ。

どうやったらみじん切りができたんだっけ?

大きい状態の玉ねぎをさらに切って、切って、切って…。
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