Always
「あ、風吾さん!

私がやりますから!」

人差し指にばんそうこうをつけた萌さんが戻ってきた。

「あ、すみません…。

つい…」

玉ねぎが目に沁みて痛い。

好物に玉ねぎをあげるほど好きな僕だけど、切ると目が痛くなるのが玉ねぎの唯一の苦手なところだ。

「風吾さんもやりたかったんですか?」

ティッシュの箱を僕の前に差し出すと、萌さんが聞いた。

僕はティッシュを取り出すと、目に当てた。

「少しくらいなら、手伝ってもいいかなって思って…」

やっぱり、萌さんからして見たら余計なお世話だったかも知れない。
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