Always
「何ですか?」

僕の問いに、萌さんは微笑んだ。

その微笑みは、どこか悲しそうだった。

何で悲しそうに微笑んでいるのだろうか?

僕は萌さんとつきあって、萌さんと一緒の時間を過ごして、萌さんと一緒にご飯を食べて…小さな出来事かも知れないけど、それだけでも僕は幸せだった。

なのに、どうして萌さんは悲しそうなんだろう?

聞きたいけど…聞いたら、萌さんは迷惑だと思うに違いない。

萌さんと恋人同士なんだから聞いたって問題はないはずなのに…。

ためらってしまう僕は、臆病なんだと思った。

萌さんは愛しそうに重ねている僕の手に触れると、
「私、何があっても風吾さんの手を離しません」
と、言った。
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