Always
約束の時間になる前に家を出て、道で風吾さんに会って…私に会ったら風吾さん、どんな顔するんだろ?

彼の驚いた顔を想像しながら、私は黒のショートブーツを履いた。

「行ってきまーす」

誰もいない部屋に向かってそう言うと、ドアを開けた。


いつも行くスーパーの前を通りかかった時だった。

「あれ?

芹沢じゃん」

聞き覚えのある声に視線を向けると、阿久津くんだった。

いつもの制服姿ではなく、私服姿だった。

私は阿久津くんを一瞥すると、その場を通り過ぎようとした。
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