Always
「あっ、ちょっと待て!

どこ行くの?」

阿久津くんが通せんぼするように私の前に立った。

何でそんなこと言わなきゃいけないの?

「用事があるから退いて欲しいんだけど。

阿久津くんはこれから仕事じゃないの?」

そう言った私に、
「今日は早番だったからもう帰るところなんだ」

阿久津くんは返した。

「そう」

私は返事をすると、阿久津くんの横を通り過ぎようとした。

「待てよ、芹沢。

俺も仕事終わったんだし、少しだけでいいからどこかで話をしないか?」

阿久津くんがまた私の前に立って通せんぼした。
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