Always
「今日はもうあがっていいですよ」

時計が6時を差した頃、風吾さんが言った。

「えっ…?」

私は時計と風吾さんの顔を見比べた。

いつもは、8時過ぎてから帰るのが当たり前だったからだ。

6時に帰るのは…初日以来じゃないだろうか?

戸惑っている私に風吾さんは微笑むと、
「たまには早く帰って、親御さんと一緒にご飯を食べた方がいいですよ」
と、言った。

「ああ…そう、ですね」

そう言えば、就職してから実家に帰っていないなと思った。

家族みんなでご飯も食べていないし、エリーさんとマンツーマンで教わっている料理もしていない。
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