Always
聞き覚えのあるその声に無視して、お肉のコーナーへ急ごうとした。

「ちょっと待て、無視するな!」

通せんぼするように阿久津くんが私の前に立った。

私は無視をして、阿久津くんの横を通り過ぎようとした。

「ちょっと待て、話だけでも聞いてくれないか?」

私が阿久津くんの横を通り過ぎようとするたび、彼は逃がさないと言うように通せんぼする。

話だけでもって、何?

別に阿久津くんと話をすることなんてないんだけど。

「芹沢、逃げたいのはわかるけど俺の話を聞いてくれ」

「あなたのせいじゃないの!」

通せんぼする阿久津くんに我慢ができなくなって、私は怒鳴った。
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