Always
「――傷ついて、くるよ」

僕は言った。

「傷ついて、傷ついて、傷ついて…」

声が震えているのは、泣きそうになっているからかも知れない。

「わかってるよ、フーゴ」

恵は理解したと言うように、首を縦に振ってうなずいた。

「ズタズタになったら、また戻ってこい。

戻ってきたら、慰めてやるから」

「うん…」

僕は首を縦に振ってうなずいた。

もう逃げない。

萌さんとちゃんと向きあって、ちゃんと傷つこう。

手を開いて、そのうえのベビーリングを見つめると、電気の光に照らされた青い宝石がキラキラと光を放っていた。
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