Always
4月の終わりのことだった。

久しぶりに仕事が休みになったその日の夕方、私は実家を訪ねた。

「ただいまー」

玄関であいさつをした私を迎えてくれたのは、
「お帰りなさい」

父親だった。

「お父さん…」

エリーさんが迎えてきてくれると思っていたばかりに、私は驚いた。

「萌…」

父親も私がきたことに驚いている。

すぐに微笑むと、
「ちょうどよかったよ。

エリーちゃんも慶太郎くんも出かけていて、誰もいないんだ」
と、父親は言った。
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