Always
「あ…ごめん…。

今さらそんな話されても、お父さん困ったよね?」

父親の手が動いた。

「――お父さんが、悪かったんだ。

お母さんの手を…離してしまったから」

呟くように、父親が言った。

「えっ…?」

私は訳がわからなかった。

悪かったって、何が?

「お母さんのことを、わかってあげられなかったんだ。

子育てや家事を全部お母さんに任せて、自分は仕事仕事仕事で…顧みようともしなければ、理解をしようともしなかった。

早い話が、逃げていたんだ」
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