Always
「さあ、そろそろ食べようかね」

父親が思い出したと言うように言った。

「そうだね」

私はうなずいて答えた。

父親はティッシュで涙をぬぐうと、それまで止めていた料理をまた始めた。

「私も手伝っていい?」

父親の隣に並んで聞いた私に、
「大丈夫か?

ケガしないようにね」

父親が笑いながら返した。

「1人暮らししてるし、お母さんにも教わってるから大丈夫!」

私は笑いながら答えると、包丁を手に持った。
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