Always
「萌さん」

僕は萌さんの名前を呼んだ。

「――もう、離さないでくださいね」

萌さんが言った。

「ええ、もうあなたを離しません」

「私も風吾さんを離しません」

「僕も…ずっと、離しません」

お互いの躰を離して、見つめあう。

僕らはそっと微笑みあうと、お互いの唇を重ねた。

唇を離すと、今度はお互いの額をあわせた。

「――萌さん」

「はい」

「――僕と…僕と、結婚してくれませんか?」
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