Always
その何かは私もよくわからないけど…でも、今とは何かが違っていたような気がする。

「もう今日限り、芹沢と話をしない。

来月の異動まで、従業員と客で…な」

阿久津くんはそう言うと、笑った。

「うん、わかった」

私も笑い返すと、風吾さんの手をひいて阿久津くんの前を去った。

「よかったんですか?」

風吾さんが聞いてきた。

「よかったんです」

私は答えた。

「それにしても…萌さん、怒ることがあるんですね」

風吾さんが言った。

「怒ることがあるんですねって…私も人間ですから、そりゃ怒りますよ」

そう言った私に、
「怒らせないように気をつけます」

風吾さんが笑いながら言った。
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