Always
「何ですかそれー。

って言うか、風吾さんは怒ることがないんですか?」

「僕は怒ること自体なれていないので…」

風吾さんは困ったように言って、困ったように笑った。

「そう言えば、風吾さんの怒った顔見たことないかも…」

なんて呟いた私だけど、本当は風吾さんの怒った顔が見たいなって思ってる。

「幼なじみ曰く、僕が怒ると鬼も泣いて逃げ出すほど怖い…んだそうですよ?」

「じゃあ、風吾さんも怒るんじゃないですかー」

「あくまでも幼なじみがそう言っているだけです」

これからもずっと、風吾さんと一緒にいたい。

今の今まで1人だった時間を、風吾さんと一緒に埋めて行きたい。

結婚してからも、一緒に埋めて行こう。

2人で幸せな思い出を作って行こうね、風吾さん。

私はそっと、風吾さんと繋いでいる手を強く握った。
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