Always
「――もし、もし…?」

スマートフォンを耳に当てると、
「モエチャン!」

エリーさんのソプラノの声に私はスマートフォンを3センチくらい耳から離した。

「よかった、私とても心配していました!

モエチャンが1人暮らしを始めてから、私心配で心配で…。

ちゃんと食べているのかなとか、ちゃんと眠っているのかなとか…」

「お袋、気持ちはわかるが姉貴も忙しいんだ」

電話越しから慶太郎くんの声が聞こえる。

隣にいるのかも知れない。

「ご飯もちゃんと食べていますし、ちゃんと寝ているから、大丈夫です」

私は言った。

「本当?

いいけど…でも忙しいからって、ご飯は絶対に抜いちゃダメですよ?

ちゃんと食べて、ちゃんと眠りなさい。

食べることと寝ることは人生の中で1番大事なことですからね?」
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