Always
うつむいていた父親の顔があがる。

「確かに、驚いたよ。

いきなり再婚するなんて言われて、交際している人がいるなんて聞かされて…そのうえ、相手の人も子持ちだって言うことにも驚いてる」

そう言い終わった後、私は笑って見せる。

ウソは嫌いなはずだった。

中学2年生のあの日に経験したはずだ。

ウソはつらくて、苦しいものだって。

だけど私も…成長するんだな。

だって…ウソをつくことに罪悪感もなければ、抵抗もないんだもん。

「それに…お父さんが再婚しないのは、私が邪魔なのかなって思ってたの。

私が邪魔だから、お父さんは再婚することができないのかなって」

「そんな訳ないじゃないか!」

父親が大きな声で言って、首を横に振った。
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