Always
「はあ…」

図書室の棚にもたれながら、私は息を吐いた。

父親から再婚の話を聞かされて1週間経った日のことだった。

その日は、エリーさんと慶太郎くんの初めての顔あわせの日だった。

日本人の友達だって1人もいないのに、アメリカ人と顔をあわせるなんてな…。

友達がいない私の唯一の憩いの場は、図書室だった。

教室に私の居場所なんてなかった。

そこにいて嫌でも目につくのは、楽しそうなクラスメイトの光景だ。

楽しそうなその光景から逃げるように、休み時間はいつも図書室に駆け込んでいた。

図書室の独特の匂いとたくさんの本が私の気持ちを癒してくれた。

できることなら、ずっとここにいたいな。

そんなことを思った私に、
「あ、いたいた」

声をかけてきた人物がいた。
< 49 / 303 >

この作品をシェア

pagetop