Always
その声に視線を向けると、
「阿久津くん…」

クラスメイトで委員長を務める、阿久津晴秋(アクツハルアキ)くんだった。

私は彼が苦手だ。

明るくて面倒見がよくて、彼の周りにはいつも人がたくさんいて笑顔が絶えない。

いつも1人ぼっちで、友達がいない私のこともいつも気にかけてくれている。

私のことなんて、いないのも同然に扱って欲しいのに。

「何?」

彼に早く図書室から出て行って欲しくて問いかけた。

「科学のノート提出していないの芹沢だけだって、坂上先生が怒ってたぞ」

「そう」

わざわざそれを言いに、図書室まできたんだ。

「じゃあ、ノート持って坂上先生のところに謝りに行ってくる」

その場から離れようとした私に、
「俺が言って謝りに行ってくるからいいよ」

阿久津くんが止めた。
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