Always
「どうして?」

首を傾げて聞いた私に、
「ちゃんと芹沢に言わなかった俺も俺だから。

だから、芹沢は坂上先生のところに行かなくてもいいよ」

お節介にも程があると思った。

「――私のこと、もう放って置いてくれない?」

呟くように言った私の言葉に、
「えっ、何だって?」

今度は阿久津くんが首を傾げた。

「私のこと、これからはいないように扱ってくれてもいいから」

彼に向かってそう言うと、図書室から逃げるように去った。

「おい、芹沢…」

阿久津くんが私のことを呼んだけど、無視をした。

いいんだ、これで。

言った以上、阿久津くんはもう私のことを気にかけることなんてない。

阿久津くんのお節介につきあわされる必要なんてない。

これでいいんだ。
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