Always
明るい性格のエリーさんとは対照的に、慶太郎くんはクールな性格だ。

母子、なんだよね…?

あまりにも対照的な2人に私はそんなことを思った。

4人の顔がそろった食事は、あまり覚えていない。

エリーさんが好きな食べ物とか趣味とか、いろいろな質問を私にしていたけど、彼女がした質問に私はどう回答したのかよく覚えていない。

ただ、食事の間もエリーさんを苦手に感じていたことだけは覚えている。

食事から1ヶ月後にエリーさんと慶太郎くんが、私たち父娘が住む家に荷物を持って引っ越してきた。

彼らが引っ越してきた1ヶ月後に、父親とエリーさんは夫婦になった。

その日からエリーさんは私の母親、慶太郎くんは私の弟になった。


チュンチュンと鳴くすずめの声に目を開けると、窓から朝の日差しが差し込んでいた。

「――あれ…?」

自分が今いる場所を確認すると、ソファーのうえだった。

ソファーの前に置いてあるテーブルには、空っぽのカルボナーラの器とプラスチックのフォークがあった。
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