Always
「進路、ですか?」

あんずサワーと言う甘いカクテルを飲みながら、私は聞き返した。

「何か考えてますか?」

その質問に私は曖昧に笑って、軟骨のからあげを口に入れた。

コリコリと言う音が周りの喧騒に混じって消えて行く。

舌のうえに残ったのは、スパイス。

進路は、考えてなかった。

考えてなかったと言うよりも、考えていないと言う方が正しい。

もちろん、それなりに就職活動はしている。

だけど…いつも会社から返されるのは、“不採用”と言う言葉だけ。

どうせ、私みたいな人が社会に出たってきっとうまく行かないんだ。

私と言うタイプはどうやら、世間で言う“コミュ障(コミュニケーション障害)”と言うヤツらしい。
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