Always
先生はよくわからないと言うように首を傾げた。

「わからないって…何がわからないんですか?」

先生は最近床屋で切ったばかりだと言う短髪をかきあげた。

「…“恋”、です」

呟くように言った後で、私は恥ずかしくなった。

お酒の勢いに任せたとは言え、私は何を言っているんだ…。

「恋、ですか?」

先生は呟くように聞いてきた。

私の呟きは、どうして周りの喧騒にかき消されてくれなかったんだろう?

もう後の祭りだ。

乗りかかってしまった船だ。

「恋と言うか…セックス、と言うか…」

もう後は野となれ、山となれ、そしてどうにでもなれ!
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