Always
「そうだよ、3年も実家に帰ってきてないじゃないか」

なあと、英吾兄さんはそう言って慎吾兄さんに同意を求めた。

風邪をひいたとか、仕事で忙しいとか、そんな言い訳を言って実家に帰るのを避けていた。

3年なんて、そんなたいした数字か?

口から出そうになった言葉を、どうにかして飲み込んだ。

「おっ、いたいた!

フーゴのヤツ、こんなとこにいた」

その声に視線を向けると、恵だった。

恵は僕の隣に歩み寄ると、並んだ。

「あ、おじさんとおばさん。

それから、英吾さんと慎吾さん。

こんばんわ」

恵は僕の家族にあいさつした。
< 97 / 303 >

この作品をシェア

pagetop