Always
親友の登場に、僕は心の底からホッと胸をなで下ろした。

恵も僕と同じスーツ姿で、髪型はオールバックでかっこよく決めている。

「恵くん、久しぶりだなあ」

父親が恵に向かって笑いかける。

「ご結婚おめでとう、恵くん」

母親も恵に向かって笑いかけた。

「式はまだ先ですけど…ありがとうございます」

恵は照れたように笑いながら言った。

「あ、そうだ」

恵は思い出したように言って僕に視線を向けた。

「そう言えばフーゴ、マーサを見なかったか?

まだ紹介しなきゃいけない関係者がいるのに、マーサのヤツ、どっかに行っちまったんだ」

恵は呆れたと言うように言った。
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