ハリネズミの恋
ちょっと待て。

昼休み、針井も教室にいたよな?

当然、話くらい聞いてたはずだよな?

「へぇ」

針井は一言返事しただけだった。

…聞いてる訳ないか。

針井は針井で、普段から自分の世界にこもってるんだ。

昼休みだって周りの音を無視して読書してたに決まってる。

「針井がよかったらの話なんだけどさ」

…さて、俺は今何を言おうとしている?

「俺と一緒に、太のライブ見に行かない?」

…自分で言って、自分で驚いた。
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