ハリネズミの恋
黒の開襟シャツにブラックジーンズ、ジーンズの横にはシルバーのチェーンがあった。

足元は黒の革靴だ。

どう言う訳か、太は黒い色の服をよく好んで着ている。

服は黒、アクセサリーはシルバーと言うのが彼のこだわりらしい。

まあ、長身の太に黒はよく似合っているからいいんだけど。

「約束通り、きてやったぞー」

「きてやったって…」

太は苦笑いしながら返した。

「で、太は何してたの?」

俺が聞くと、
「デパ地下で昼飯買いに行ってた」

太は手に持っていた紙袋を見せた。

「へぇ、何買ってきたの?」

俺が紙袋を指差しながら聞いたら、
「あれ?」

太が何かに気づいた。

視線の方をたどって見ると、針井の存在に気づいたようだった。
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