ハリネズミの恋
針井は落ち着いたと言うように、深く息を吐いた。

「本当に、大丈夫か?

無理しなくてもいいんだぞ?」

「大丈夫よ…」

針井は心配しなくてもいいと言うように笑った。

「すごかったね、大政くんのバンド」

針井が話しかけてきた。

「そのうち乱闘が起こるんじゃないかって、ヒヤヒヤしてた。

ライブであんなにヒヤヒヤした思いをしたのは今回が初めてだと思う」

俺が言うと、
「霧ヶ峰くんはライブ行ったことあるの?」
と、針井が聞いてきた。

「好きだから行ってるようなものだな」

俺は笑いながら答えた。
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