ハリネズミの恋
再び流れ出した嫌な沈黙に、
「あー、はいはい」

太が破った。

…何だその、ニヤニヤと笑っている不気味な笑顔は。

さっきの“鬼”の顔をしていたヤツとは同一人物だとは思えないな、うん。

太のニヤニヤ笑顔にひいている俺に、
「霧ヶ峰くん、わたしちゃんと話せるから」

針井が声をかけた。

「だけどお前、人見知りとかって…」

言いかけた俺に針井は黙ってと言うように人差し指を唇に当てた。

こうなったら俺はもう大人しくしているしか他がない。

針井はタケルと今井と一緒に話し始めた。
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