ハリネズミの恋
すっかり忘れてた!

情けなくて額に手を当てている俺にマーサはケラケラと笑っている。

「笑うんじゃねーぞ」

俺が毒づくように返すと、
「あー、ごめんごめん。

でもすぐに言わなかったってことは、ナナも吹っ切れたのかなって思って」

マーサは笑い過ぎで出てきたであろう涙を指でぬぐった。

「何を思って吹っ切れたんだよ」

俺は言い返した。

「んー、ナナにもあたし以外の好きな女の子ができたのかなって」

冷やかすように言ったマーサに、
「んな訳ねーじゃん。

マーサが結婚しようが、メグとの間に子供ができようが、俺はマーサ一筋だよ」

何クソと言うように言い返した。
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