ハリネズミの恋
口に入れると、マシュマロ特有のフワフワとした触感。

フワリと、甘い香りが鼻をすり抜けた。

「……んっ?」

俺は気づいた。

「どうした?」

マショマロを指でつまんでいる太が聞いてきた。

この香り…もしや!?

ガタッ!

いても立ってもいられなくて、俺は椅子から立ちあがった。

「えっ、七緒?」

太が何事かと言うように驚いている。

クラスメイトからの注目を全身に浴びるが、今はそんなことを気にしている場合ではない。

向かう先は、ただ1つ。
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