ハリネズミの恋
太は椅子に座ると、
「さて…」

俺も椅子に座るように視線で言われた。

さっきの慌てた様子はどうした?

毎度おなじみのニヤニヤ笑顔の太に、心の中でツッコミを入れると俺も椅子に座った。

「えーっと…どこから説明してもらうかな?」

太はヒョイッと長い脚を俺の机のうえに置いた。

「フツーに邪魔なんだけど」

「ひどいなあ」

太はニヤニヤと笑いながら答えたが、脚を退けようとはしない。

「って言うか…何なの?」

「刑事、みたいな?」

キーンコーンカーンコーン

昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
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