ハリネズミの恋
Chapter10*ラッキーセブン*
「ワンツースリーフォー…」

岩田さんの手拍子にあわせて大きく、リズムよく躰を動かす。

午後の授業を受けている間、絶対くるんじゃねーと強く願った放課後…の前に部活である。

太のヤツ、カッティングやってる間に忘れてくれねーだろうか?

そんなことを願いながら俺は踊る。

チラリと周りに視線を向けると、みんな必死に踊っている。

俺もその1人な訳だけど。

「おい、霧ヶ峰!」

岩田さんに名前を呼ばれ、俺は踊ることに集中した。

もうすぐ6月だ。

6月になると、ダンス甲子園の予選大会がある。

本戦は野球の甲子園と同じ8月だ。

それに出るためには、まずは予選突破だ。
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