ハリネズミの恋
「えっ…?」

急にそんなことを言われた俺は戸惑った。

「真剣だったと言うか、本当にダンスが好きなんだなって思った」

「お…おいおい…」

針井に褒められた…訳なのだが、何だろ?

すっごい照れくさい。

いや、恥ずかしいって何だよ。

ダンスが上手とか、かっこいいとかって褒められるのは当たり前のことじゃんか。

「部活、頑張ってね」

針井はそれだけ言うと、
「あ、おい!」

駆け足で階段を降りて行った。

「ッ…」

俺は持っていたヘアバンドを口に当てた。
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