ハリネズミの恋
「さて、と」

太は嬉しそうに腰をあげると、ドリンクバーの方へ向かった。

俺はその背中を見送った後、窓に視線を向けた。

「――やれやれ…」

俺は息を吐いた。

シャツのポケットからスマートフォンを出すと、メール作成の画面を出した。

メールの送信先をマーサにし、太とファミレスにいること、今日の夕飯はいらないことをメールで打つと、送信した。

「では、お話をしてもらおうかな?」

太がドリンクを両手に戻ってきたので俺はスマートフォンをシャツのポケットにしまった。

俺の前にオレンジジュースが入ったグラスとストローが差し出される。

太はコーラが入ったグラスを置くと、腰を下ろした。

俺は息を吐いた後、ストローをグラスに入れた。
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