ハリネズミの恋
「助かったよ、七緒。

マジわかりやすい」

太は納得したと言うように笑った。

「ほとんどがフーゴの受け売りだけど」

俺が返すと、
「いや、それでもわかりやすいわ」

太は持ちあげた。

俺を持ちあげても何の得にもなんねーぞ。

「七緒の方こそ、何かわかんねーところある?

俺で役に立ちそうなら教えてあげるけど」

何かやけに楽しそうじゃねーか?

「まあ、わかんねーところがあるにはあるけど…お前、得意じゃなかっただろ?」

俺はカバンから物理の教科書を見せた。
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