ハリネズミの恋
「いや、先生よりもずーっとわかりやすかったって。

はー、助かった助かった」

俺はシャープペンを持つと、たった今針井が解説したところをノートに書いた。

「針井は普段本読んでるから現代文が得意って言うイメージがあるけど、物理も得意なんだね」

そう言った太に、
「どちらかと言うと、得意な方は物理だと思う」

針井が返した。

「えっ?」

シャープペンを動かしていた俺の手が止まった。

意外だ。

「じゃあ、苦手な科目は?」

俺の質問に、
「英語、かな…」

針井は答えた。

「ちょうどいいじゃん」

太が言った。
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